愛媛松山の絵画教室【上田勇一絵画教室】

現代日本美術会会員／審査員　
昭和会賞優秀賞受賞作家

1974　東京に生まれる
1995　高橋勉氏に師事し古典技法学ぶ
1996　日本工業大学工学部建築学科卒業
第1回象の会展(ギャラリーモテキ・銀座)に出品
第16回FUKUIサムホール美術展、大賞受賞
第６回ギャラリーピクチャー大賞展、審査員賞
第３回熊谷守一大賞展、入選　賞候補
第５回新生展　大賞受賞
『世界の果ての庭』西崎憲著（新潮社）の装丁を担当
2003　第38回昭和会展、優秀賞受賞（日動画廊）
現代日本美術会会員推挙賞
現代日本美術会大賞受賞
松山市在住

昭和会賞とは: 日動画廊が主催する昭和会展のグランプリに該当する賞。昭和生まれの若手作家を中心に、優秀な洋画家・日本画家・彫刻家に与えられる。洋画では安井賞などと並んで重要な賞とされる。

主な受賞作家: ・奥谷博（第1回昭和会賞）小松崎邦雄（第4回昭和会賞）
・鴨居玲（第4回昭和会展優秀賞）山本文彦（第5回昭和会展林武賞）
・森本草介（第5回昭和会展優秀賞）入江観（第6回昭和会展優秀賞）
・山本貞（第8回昭和会展優秀賞）佐藤泰生（第12回昭和会賞）
・遠藤彰子（第13回昭和会展林武賞）
・田村能里子（第17回昭和会展優秀賞）らがいる

「銀筆」を自在にあやつる

この技法を実に15年に渡って追求し、先人達に引けを取ることなくこれを見事に自分のものとした上田は、決して懐古趣味などではない独自の画風を展開する。
その細密描写が繰り出す静謐な世界には、銀の持つ光沢さながら光が溢れているかのようだ。
(2010　Vol.4より抜粋/(株)ギャラリーステーション)

上田勇一の仕事

銀筆＝Silver Pointとは、直径2mmの銀の棒をやすりで磨き、鋭利に尖らせたもので描く。
美しく磨かれた石膏地に銀で描かれた線は、時間の経過とともに酸化してセピアトーンに変化するという特徴を持つ。
ヨーロッパ中世に起源を持つこの技法に魅せられ、追求している。この仕事は、集中力と忍耐を要求する。現代のインスタントなスピード時代にあり、作家は最も非現代的と思われる仕事に没頭する。
……作家にとって表現とは何であろうか。…空想上の鳥、水面の映像、無し。作家はモノと空間のはざまを彷徨している。極めて細かく硬質な銀筆によって描かれた線は、はざまを刻んでいく。
没頭する画家にとってはその行為の時間のみが生きることを担保しているのかもしれない。
永遠の時間に続く道。
それを思い描く作家は、決して急がない。おそらく、綿密に描ききることによってしか得られない充実を知っているのだろう。
(伊藤厚美アスクエア神田ギャラリー　2012年1月)